箱根火山見学会の報告    2008/5/17〜18日開催

箱根火山巡検』報告

 関東支部では,箱根火山巡検を517日,18日に12日で実施しました.講師は,昨年7月に発行された日本地質学会国立公園リーフレット1「箱根火山」編集委員長でもある日本大学文理学部教授高橋正樹先生にお願いし,新しい箱根火山像について解説をしていただきました.スタッフを除いた参加者は18名で,地質コンサルタント関係者が多く参加されました.観察場所は貸し切りバスで回りました (集合解散JR小田原駅)
1日目:@猿沢(湯本茶屋溶岩・真鶴軽石),A掘木沢(掘木沢溶岩・Tll-27),B須雲川橋(平行岩脈群),C甘酒茶屋(屏風山溶岩・二子山溶岩ドーム),Dお玉ヶ池脇で昼食,E山伏峠(駒ケ岳の溶岩地形),F長尾峠(神山崩壊地形と岩屑なだれ堆積物・仙石火山体)
2日目:@大涌谷(山体崩壊地形と冠ヶ岳溶岩・水蒸気爆発堆積物),A大観山(箱根カルデラ),B幕山(溶岩ドーム),C真鶴福浦海岸(真鶴溶岩),D真鶴岩海岸(岩溶岩・スコリア丘)                 

 夜も宿(ロッヂ富士見苑)で温泉につかった後,パワーポイントを使用しての勉強会が2時間以上行われました.参加者の方々どうもありがとうございました.最後に巡検案内から資料,パワーポイント作成まで行っていただいた高橋正樹先生に心よりお礼申し上げます.
〈担当幹事〉小田原啓(神奈川県温泉地学研究所),笠間友博(神奈川県立生命の星・地球博物館)
                                     (笠間友博 記)

箱根火山巡検に参加して
早稲田大学大学院 宮田真也

 517日から18日までの2日間,箱根火山巡検が行われました.参加者は21名でした.
 1日目は猿沢にはじまり,箱根外輪山の南部をデイサイトの露頭や箱根火山の岩脈群,地形を観察しながら,仙石火山の火砕丘の見事な露頭で終了しました.2日目は箱根外輪山の地形を堪能した後,真鶴半島でテフラや真鶴溶岩の噴出・貫入部を観察しつつ,最後は火砕丘を不整合に覆う安山岩溶岩の不整合で締めくくりました.
 箱根火山はプレート衝突境界に位置する特異な火山で,マグマの供給源や地史などにおいても未だ不明な部分がまだ多く残っている特異な場所です.それゆえ2日間という短い日程でしたが,私たちにとっては箱根火山の不思議さを味わえたと感じます.
 また,このような巡検は地質学に興味のある研究者や学生ばかりでなく,地元の方々にとっても生活している場所を理解するために非常に重要であると感じました.このような巡検が今後もさらに活発な普及が行われるようにしていきたいと感じました.
 最後にこの巡検において,案内・企画してくださった高橋正樹先生,笠間友博幹事,小田原 啓幹事,および,実りのある巡検にしてくださった巡検参加者の皆様に感謝します.
大湧谷での集合写真 stop2:堀木沢;外輪山最下部火砕堆積物を覆う
堀木沢デイサイト溶岩
stop3:須雲川橋;平行岩脈群 stop5:山伏峠;後期中央火口丘
stop7:仙石火山;火砕丘或いは小型成層火山 stop8:大湧谷;神山山体崩壊と冠ヶ岳
stop10:幕山;幕山デイサイト溶岩ドーム stop12:真鶴町・岩;単成火山アグルチネート・溶岩



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