杉村新先生卒寿記念シンポジウムのご案内 2013/6/29
杉村新先生卒寿記念シンポジウムのご案内
杉村新先生卒寿記念シンポジウムと祝賀会発起人
藤岡換太郎・高橋正樹・平田大二・芦寿一郎
              
【趣旨】
著書「弧状列島」や「大地の動きをさぐる」で著名な杉村新先生は今年の6月28日で満90歳を迎えられます。杉村先生は日本のネオテクトニクスの草分けで、活褶曲や活断層、島弧論、海水準変動など第四紀の広汎な分野で指導的な立場をとられてきました。中でも上田誠也氏と岩波科学に連載された「弧状列島」はその後単行本に、そして英語版にもなりました。岩波書店から出版された「大地の動きをさぐる」は、今も広く読み継がれています。どちらの本も後世に大きな影響を与えています。
 このシンポジウムの目的は杉村先生が1960年代から70年代に発表されたすぐれた研究を若い人たちにも紹介し、今後の研究の糧にしてほしいことと、杉村先生によって展開された島弧論を継ぐものたちが現在どのような研究を行っているかを紹介してもらって今後の課題を検討したいというものです。
 先生は現在もお元気で、今でも執筆をされたり学会へ参加されたりしています。この折に卒寿を祝う会を先生に関係のある方々でとり行いたいと考えてこの案内を送る次第です。
 なおこの案内は関係ありそうな若手研究者や学生への広報をお願いします。多くの方々のご参加をお待ちしております。

日時 平成25年6月29日(土)13:30-17:00
場所 日本大学文理学部3号館3503教室(5階)
  ( http://www.chs.nihon-u.ac.jp/access/

【プログラム】
司会 高橋正樹
1330-1340 高橋正樹 はじめに 

1340-1400 藤岡換太郎 趣旨と杉村新の業績の紹介
杉村新氏の1947年以来の業績をまとめてみた。その内容の広さにもまして先駆的な研究や境界領域の研究の多さに驚く。今後の若手研究者のみならず多くの研究者の指針にしたい。

1400-1430 吉岡敏和 活断層調査の現状と課題
日本の活断層調査は,1995年の兵庫県南部地震を契機として急速に進展した.政府の地震調査研究推進本部からは,全国の主要活断層について,将来の地震発生確率などの評価結果が公表され,一般への普及も進んでいる.しかしながら,活断層の活動のような低頻度甚大災害への対処についての国民的なコンセンサスは,まだまだ得られていない.このような活断層調査の現状と今後の課題を紹介する.

1430-1440 休憩

1440-1510 岩森 光 島弧火成論:杉村先生の提示されたこと
島弧は複雑なシステムである。地質学、地球物理学、地球化学を真に結集して初めてその仕組みが解けるかどうかであろう。そのことにいち早く気づかれた先生が何を提示されたのか、個人的に3時間近くもお話しを伺う機会を頂戴し、ようやくその本当の意味がつかめかけたような気がしている。

1510-1540 木村 学 杉村新先生が拓いた日本地質学の地平
今から70年ほど前の第二次大戦後、日本の地質学の未来を照らす力強い息吹があった。それはそれまでの日本の地質学に決定的に欠落していた「斉一主義」の徹底と学際の壁を自由に越えるリベラルな学風であった。この流れが大きく育っていれば歴史は違ったものであったかもしれない。現代島弧論までの道を交えながら杉村新先生の位置を議論してみたい。

1540-1550 休憩

1550-1650 杉村 新 90年間の学歴(仮題)

1650-1700 平田大二 シンポジウムのまとめ
                          

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