(6) 足柄峠下


 左手から箱根火山,愛鷹火山,富士火山,そして丹沢山地と見事な眺望.眼下に広がる街は御殿場市.富士山の御殿場市側の雪線高度が低い点に注目.
 古代東海道は,愛鷹火山の南側を通過し,愛鷹火山と箱根火山の間の谷を北上して,眼下の御殿場市付近を通っていた.そして,御殿場市付近で,篭坂峠を越えて甲斐の国に至る官道と,本撮影地点背後の足柄峠を越えて相模の国の関本に向かう官道「足柄路」に分岐していたという(富士吉田市歴史民俗博物館堀内 真学芸員談).西暦800年には富士の裾野にスコリア降下があり,西暦802年には爆発角礫(火砕流?)が襲来した.このため,用心して「足柄路」を一時的に閉鎖し,やや南側の「箱根路」(長尾峠越え?)を使い,関本(矢倉沢峠越え?)に向かっていたらしい.その後,噴火が止んだので,「足柄路」閉鎖は解除された.
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